混ぜる回数が多いほど納豆がおいしい理由 グルタミン酸と納豆菌と炭疽菌の話

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納豆は徹底的にまぜまくるとおいしくなると言われる。
あれは本当だ。
納豆のネバネバは納豆菌の莢膜にあるポリグルタミン酸で
納豆をかきまぜると酸素が入り、酸化してグルタミン酸になる。
グルタミン酸は味の素に入っている旨味成分だ。味蕾の細胞のレセプターにはまってチャネルを開く。そうするとカルシウムイオンが移動して電気信号が発生する。
でも、個人的には、いくらグルタミン酸でもあんまりねばねばだと食べにくいのであまり混ぜない派だ。

余談。
外国の人は薄い昆布だしを飲んでもお湯にしか思えないらしいが、日本人はこのグルタミン酸のレセプターが多いか、閾値が低いのではと言われていたりする。
イギリス人は逆にレセプターないとか言われている。ちょっと笑った。フィッシュアンドチップスとか紅茶、ローストビーフは美味いよ。

で、このポリグルタミン酸はあの悪名高い炭疽菌の莢膜にもある。
というかそもそも納豆菌と炭疽菌は同属である(バチルス属)。
もっと言うと炭疽菌、セレウス菌、卒倒病菌は同種である。菌の種の同定はDNA-DNA相同性を見るのだがこいつらは70%以上一致するので同種である。
が、セレウス菌は胃腸かぜ、卒倒病菌はカイコを卒倒させる菌で、炭疽菌とはやばさが違いすぎるのであえて別種扱いをしているらしい。こういうのを危険名と言うとか。
莢膜は生物学的に不活性で、この莢膜のせいで我々の白血球は炭疽菌を食べるのに苦労する。
炭疽ワクチンはこの莢膜の遺伝子を失った炭疽菌だがちょっと危ないのでヒトには使えない。
炭疽菌の怖さを言い出すと細胞毒素の話に行きそうでそうなると長いのでこの辺でやめておく。

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