ラーセン棚氷。ちょっと前にサイエンスZEROでやっていたのを見た人もいるだろう。
棚氷は、大陸の上にある氷床の、端っこの部分で、海に張り出して浮いているところを言う。
言葉で言ってもわかりづらいから四角の上に三角をのせてみてほしい。家みたいに。
そしてその家を風呂に置いて四角の高さ分水を入れる。
水が海で風呂の底が海洋地殻、四角が大陸地殻とすると三角は氷で、三角の四角からはみ出たところが棚氷だ。
で、この棚氷が割れて氷床から離れ、海に出るとそれは氷山になる。
ちなみに流氷は海が寒すぎて凍ったものだ。
ラーセン棚氷はウェッデル海の北西にある棚氷で、2002年温暖化により崩壊した。そのおかげ(?)で隠されていた海の調査ができた。
棚氷があると、その下には日光が届かない。光合成ができないから植物プランクトンがいない。
この条件は深海と一緒だ
深海はマリンスノーがあるが、棚氷の下にはよそからくる栄養はあるのだろうか
ともかくラーセン棚氷崩壊後に見つかった生物のラインナップが、
柄がない泳ぐ系のウミユリ(sea featherで検索すると動画が見られる)やヒトデ、ユメナマコに似ているナマコ、小さい甲殻類、カイメン、ウミグモと
棘皮とか軒並み代謝が低そうな面々なのを見るとやはりそれなりに似た環境なのだと思う。
そのラーセン棚氷が2020年に完全になくなるらしいが
こいつらはどうなるのだろうか。
隔離された環境でのっそり生きてきた生物だから、
ウェッデルアザラシなんかに簡単に食いつくされそうだ。
…いや、そもそもアザラシは棘皮動物を食べるんだろうか。
ヒトデは金属を含んでいるからなかなか捕食されないと言うが。確かにヒトデは被食より貝に寄生されて死んでいるイメージだ。
まあ、アザラシがこいつらを食べるかどうかは知らないが、どちらにせよ自然が本来の姿を損なうのはなんとも残念なことだ。
『オーシャンズ』『キングダム・オブ・オーシャンズ』の監督ジャック・ペランは、
私たちの手を離れると自然は輝きを見せると言っていた。
私達の美意識は人の手に抗えずに沈む。
『オーシャンズ』『キングダム・オブ・オーシャンズ』はとてもいい映画なのでぜひ見てみて欲しい。
海が好きなら最高に癒やされるはずだ